January 25, 2005

"The Third Way"♯1

昨日は予習不足の拙読にお付き合いいただき申し訳ありませんでした(_ _)゛
ノート風にごくごく一部のピックアップと、参照引用ばっかりのコメントを掲載しております。
ご高覧ください。

原書P3-8
第一章「社会主義の終焉(死)」


・P3.L9- Socialisimの起源
フランス革命=自由・個人主義革命に対する反動として。
(自由主義が資本主義と重なるように)社会主義が反資本主義の思想となっていくのはまだ先。
・P3.L10- Before it took〜,communisim overlapped〜なので、
前半より後半が古いことになります従って、
「共産主義≒社会主義では社会や共同体が個人に対し優位にある」のは
「ソ連邦の登場により独特の意味を持つ」以前のこと、ですね。
(大過去になっていてもいいような…)

・P3.L22-
マルクスの(精緻な経済)理論を基礎にすえた社会主義は資本主義の限界
(経済的な非効率性,階層化の推進,長期的には再起不能に陥る)に挑もうとする
⇒資本主義を人間的にする
・けれど東側の計画経済体制の実践は破綻した(P4.L28)
さらに西側の社会民主主義も70年代には理論の不備を露にした(P5.L4-)
⇒情報装置としての市場の重要性の認識不足、資本主義の過小評価などが原因

・P5.L8- 70年代中盤以降、サッチャーとレーガンの台頭
⇒新自由主義(free market philosophies=自由市場主義/訳書では「自由市場万能思想」)
の挑戦
・(さらにこれら右派政権に対し)80年代以降
social democratsも古典的な社会民主主義の古い立脚点を脱しようとし始めている。
けれど「残りかす」はまだどこの国にも残っている(P6.L9-/P8.L5)

だから、 the old left ⇔ the new right いずれとも異なる「第三の道」へ(ということか)


▼私見
そもそもの社会主義/マルクス主義という語に正直リアリティがないので…
秘密兵器、講談社『哲学の木』を参照すると、
「資本」とは…
「自己増殖を目的として使用される。過去の蓄積がそれ自体のさらなる蓄積のために
用いられるとき、それは資本となる」(ウォーラーステイン)もので、
ここに「生産過程に組みこまれた労働力という特殊な商品が剰余価値を生み出す」という
「価値増殖の運動にかかわる社会関係」を織り込んだのがマルクスの資本概念ということだそうです。
(内田隆三「資本」,西部忠「マルクス主義」)

資本が本質的に自己増殖を使命とするものなら、なるほど市場は無限に拡大し続けるし、
資源は無尽蔵に必要ということになるわけですね。だから資本をコントロールしようとする
国家はネオリベラルであれ社会民主主義であれ第一段階では単線的な近代化を意識し、
環境保全に無関心になるのでしょう。

一方で、資本主義は資本の蓄積による不平等を生み出してしまう。世界中に自由=資本主義をばら撒けば
世界中が一体化して階級対立や富の不均衡に組み込まれてしまう(「世界資本主義」)。
そこに「社会主義の登場せざるをえない根拠」(ギデンズのいう「資本主義の限界への挑戦」があるそうです。
(米谷匡史「社会主義」)

ということはやはり原書でも議論の対象となるのはマルクス以後の、対資本主義としての社会主義だと思われます。
現実に計画経済体制が崩壊して20年。ボク自身物心ついたころにはペレストロイカが進行していましたから、
すでに世界資本主義は相当ひろまりライバルの社会主義は完全消滅したといえるでしょう。
ところが自由=資本主義といってもその中身も「新」がつくように変質してしまった。
社会民主主義は相手が変わったからこっちも変化するという関係で台頭するようになったようです。
原著P7の比較が「旧」左派と「新」右派を比べていることも、このあと「新」左派がでてくるんですよと暗示しているのでしょう。
それにしても本是同根とはよくいったもので、資本のコントロールを目指すという共通性のためか
国際主義や環境保全には楽観的な様子が(記述や比較の表からは)読み取れる気がします。


きたむら

参考 『事典 哲学の木』講談社,2002

投稿者 : January 25, 2005 04:10 AM
コメント

孤軍奮闘されましたね。ご苦労様でした。内容的には、ネオ・リベラリズムとソーシャリズムという、世界を動かしてきた二大イデオロギーの特質とその功罪を分析するもので、おもしろかったと思います。

それでは、本日の読書会もよろしくお願いします。

Posted by: 今里 滋 : January 27, 2005 11:13 AM
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