June 28, 2005

The Third Way (6月22日)

6月22日に行われた読書研究会の要約&私見です。

p61ℓ21~p64ℓ13
□new risk
 狂牛病問題からも分かるように、新しいリスクの公表の仕方は難しい。もしリスクを公表し、そのリスクが誇張されたもの、あるいは存在しなかった場合には、批評家にはデマであると言われるだろう。また当局がリスクは低いか公表に慎重になっている時には、批評家は「なぜもっと早く公表しないのか。当局はリスクを隠している。」と言われることになる。
 また、リスクとは必ずしもネガティブなものではなく、伝統や自然と決別した社会を活性化する原則ともなるというポジティブな面もある。P63 のリスクマトリックスにおけるOpportunityとInnovationは、リスクのポジティブな面である。リスクに対して能動的な関わりを持つことは、社会を動かしていく上で必要な要素である。

P64ℓ14~p68最後まで
□Third way politics
 第三の道とは、グローバリゼーション、個人のライフスタイルの変化、自然との関係など大きな変革が起こっている中で市民をそれぞれの道へ導き出すことである。
 また第三の道の政策としては、グローバリゼーションを(単なる市場のグローバル化ではなくもっと広い意味で)肯定するべきである。しかし、市場の力は社会的・文化的に破壊的な影響を及ぼすから、第三の道の政策としては自由貿易をそのまま認めてはならない。
 新しい政治(第三の道の政治)における最重要のモットーは「権利は必ず責任を伴う」ということである。この原則は政治的権利の場合のように、貧困層だけに適用されないためにも、福祉の受益者だけでなく、全ての人々にとっての倫理的原則とならなければならない。
 二つ目に重要なモットーは、「民主主義なくして権威なし」である。伝統や習慣が影響力を失った現在、民主主義によってしか権威を構築できない。新しい個人主義は、人々の活動や参加がベースとなって権威が再構築されることを欲している。
 ここで問われているのは、社会的な正義ではなく、伝統や習慣が廃れていっていった後どのように生きていくべきなのか、社会的連帯をどのように再構築するのか、環境問題にどのように取り組むのかということである。この問題に対しては、哲学的保守主義の思想の必要性が強調される。
 新しい政治に対して近代化は基本的な問題の一つである。生態系に配慮した近代化はその中の一つの型であり、他にもタイプはある。生態系に配慮した近代化は、近代化するプロセスにおける問題および限界を意識するものある。
哲学的保守主義は、重要な思想である。伝統を超え、自然と反対側の世界で生活していくためには、保守主義と近代化は相反するものだが、私たちは近代化のツールを使わなければならない。
 ここでの保守主義は、変化に対して実践主義的な態度をとるという意味での保守主義である。そしてこれまで述べてきたように、科学技術はもはや民主主義の外へ残すようなものではなくなり、私たちの生活に直接的かつ広範囲に影響を及ぼすようになった。

◇私見
リスクにおけるポジティブな面というのは、私の研究テーマであるCSRにもいえることだと思いました。その好例が、1982年に起こったジョンソン&ジョンソンの取り組みです。同社の頭痛薬に何者かが毒物を混入し、7人の死者が出ましたが、素早い薬品回収、積極的な危険告知は、多くの人々から支持を得ました。また、その後もより安全性の高いパッケージの導入も行い、後に米国PRソサエティから表彰を受け、消費者の信頼を維持できました。
科学技術が私達の生活になくてはならない存在となった現在、新しいリスクが今後も起こりうると考えられます。そのような中で、いかに素早い対応をとり、リスクにおけるポジティブな面を生かせるかどうかが、第三の道の政策だけでなく、企業や市民活動などあらゆる面で一つのキーポイントになるのではないかと思います。

(参考文献:「企業評価の新しいモノサシ 社会責任からみた格付基準」斎藤槙、2000年、生産性出版)

投稿者 Kubo : June 28, 2005 07:04 PM
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