京大博物館で「マリア十五玄義図」の特集中だというのでテクテク歩いて行ってきました。
もともと本作はここが所蔵しているのでいつでも見られるらしいのですが、
今だけ貰える素敵なパンフがある、というのでこれはもう行くしかない。
…と思って到着したところ「月・火休館」でした。二日も休むとは!!
仕方がないので門の脇に置いてあった看板を撮影。
「十五玄義」というのは教徒がロザリオ念仏を唱える時にいちいち唱えるお題目で、
マリアの身に起こった出来事のあらすじです。「お告げ」から始まり「天の元后」まで数えて15。
「よろこび」「苦しみ」「栄え」の三つのカテゴリに五玄義ずつ分類されます。
ちなみに先の教皇ヨハネパウロ二世はこれに更に5つの玄義を加えて20の玄義としましたが
ともあれ本作が描かれた時代は15だけでした。最新のジャンルは確か「光」。
ついでに言うと現在は玄義ではなく奥義(おくぎ)となっております。
真ん中の部分は上から見下ろす聖母子像、下にはイグナチオ・ロヨラやおなじみザビエル。
まわりの小さい15のコマが漫画のようにマリアの奥義を表しております。
「聖体は賛美されますように」というポルトガル語があるので、絵描きさんはポルトガル人かもしれません。
イエズス会が長崎で描かせた御絵ですから、ロヨラとザビエルは分かります。
しかし、どういうわけか杯と目のシンボル、聖ルチーアさんが混じっているのはなぜでしょう。まさか趣味。
なお四人中最も左の男性はマチアス、ユダのかわりに12使徒に入った人です。これも謎。
さらに見ていくと変な点が一つ。図の右はし下、「栄えの玄義、第四、第五(以後十四,十五)」部分。
(なお写真の一番上は第十三、「聖霊降臨」の玄義です)
第十四、第十五玄義はそれぞれ「マリアの被昇天」「天の元后、マリア」となっていて
マリアは死後天にあげられ(被昇天)、天の后として戴冠する(元后)わけなのですが…
まずこちら、第十四の玄義「マリアの被昇天」です。そして
第十五の玄義、「天の元后、マリア」。おわかりでしょうか?
まるで、第十四玄義で既に戴冠した冠を、ダメだしを喰らって、むしられているように見えます。
十四番目の玄義の図に、間違って早めに冠を描いてしまったのが絵描きさんのミスで、
これではまるで15番目はコロネーションならぬデコロネーション。ちょっと楽しい間違い、で済ましましょう。
…中には入れず、本物の玄義図も見られませんでしたが、ひととき楽しい午後を過ごすことができました。
記念展は今月26日まで開催されているそうです。気が向けばどなたかご一緒しましょう。
行きたいなぁ。
タイミングよく最近、友人に日本のキリスト像は日本人みたいに描かれているのかと聞かれました。
友人曰く、「キリストはユダヤ人なのにヨーロッパ人のように淡い色の髪に白い肌で描かれているから気になる」だそうです。
確かにそうですよね。
この絵のことを早速教えてみますね。
澤井さん、感想Upよろしくおねがいします!
むしろマリアさまが着物を着ていたりしますね。
まあ、キリストに関してはその存在の有無だの人種だの、奥さんがいただの愛人だの実は女だっただの、
そういったことを気にするのは野暮なような気はします。
重要なのは(キリストを重要な位置に含む)教義自体の存在なわけで
嘘や間違いを探すのであれば、そもそも復活ほど胡散臭いディテールはない。
むしろ明らかに嘘ですが、だからこそ意味を持つわけです。
なんて、誰に書いているのやらわからない文面になりました。
ただいまより再度京大博物館に突貫(吶喊にあらず)してきます。
和装(東洋装?)している聖母はマリア観音といいますね。
十五玄義図、戴冠式の図の前から冠をかぶっちゃってる聖母には親近感がわきましたね。
なんだかのんきで良い絵だよね。
長崎のどこだかの学校には、この絵のレプリカ、というか真ん中の絵は違うからレプリカじゃないけれど模造品というのもどうかなあ、というような絵が飾ってあるそうです。しかし周囲の15コマはそのままなのでやっぱりマリアさまは焦りすぎ。子供たちはおっちょこマリアに見守られて、ほのぼの成長しているそうです。