October 14, 2005

The Third Way (2005.10.5)

10月5日の読書会の要約が出来上がりましたので、アップさせて頂きます。

P78 L.19 The question of civil society〜p85 L.3 community resources.
The question of civil society(市民社会における課題)

アクティブな市民社会の育成は、第3の道の政策において基礎的な部分である。民力の低下は、保守主義者の単なる空想ではなく実際に社会で目に見える形で起こっている。その具体例が、結束力の希薄化、犯罪率の上昇、結婚・家族の崩壊などである。民力の低下は、福祉国家のせいにはできないし、そのままにしておけば社会が元通りに戻るとも考えがたい。それゆえ、政府は市民社会再生のため、重要な役割を果たすことができるし、果たさなければならない。

市民社会の再生において重要な点
・政府と市民社会とのパートナーシップ
・地方主権によるコミュニティーの再生
・(NPOのような)社会セクターの参加
・地方の公的領域の保護
・コミュニティーをベースにした犯罪の抑制
・民主的な家族

政府と市民社会のパートナーシップは互いに促進し合い、監視し合わなければならない。状況に応じて、政府はより民的領域に踏みこまなれければならない時もあるし、逆に撤退する必要がある時もある。政府が撤退するとき、政府のこれまでの活動を引き継ぐ地方グループをサポートするために資金を提供する必要がある。特に貧困地域においては、地方主導の育成が大きな結果になって現れる。

1950年代のPeter Hallの研究によると、社会セクターの活動はここ40年で拡大してきたとしている。伝統的なグループにとってかわって、セルフヘルプや環境に関するグループがそれらを補う形で出てきており、女性参加者も増加している。これらの活動の拡大は、多くの富裕層の人間によるものである。貧困層の人々は、自分たちの身内に社会が限られており、貧困層の人々の方が社会的なサポートを必要としている。

政府が関わるべき主要な課題の1つは、貧困層の中の市民秩序の回復を支援することである。貧困な地域の再生には、経済的な奨励が必要である。最近の研究では、外部の適切なサポートがあれば、衰退のプロセスを辿っている地域であっても再生が可能であると示している。その例の1つがブラジルのセアラ州である。セアラ州では、最もサポートを必要としている家庭には、最低限の賃金がもらえる仕事を与え、そしてデイケアセンターの経営はボランティアグループに最低限の賃金とともに任せた。またコミュニティーに小額の資金の貸付を行ったため、そのお金で女性の自立のためにミシンなどを購入した。その効果があり、1987年から1994年のセアラ州の経済成長率は4%にまでになった。
他の好例として挙げられるのが、「サービスクレジット」。慈善事業に参加したボランティアには他のボランティアからの寄付による賃金が「時間」で支払われ、各人の「時間ドル」の動きは、コンピューターで管理し、定期的に明細を発行する。この「時間ドル」は非課税となっていて、医療費の支払いなどにおいて特典がある。

政府は下からの意思決定や地方自治を奨励するのと同様に、こうした試みに貢献する準備をすべきである。例えば、マイクロクレジット(小額信用貸付)が地方経済のイニシアティブに効果的であるとされている。スラム街への継続した投資は、地方のビジネスの自主性を発展させる。政府は直接投資するだけでなく、民間企業に対して投資したり、訓練プログラムを提供したり、地方のインセンティブを育成することも可能である。

【私見】
NPOなどの第3(社会)セクターはまだまだ、官・民の他の二者に比べて、経済的にも組織的にも小さい存在です。それゆえ、「The Third Way」に書かれているように、地方のインセンティブを育成するためには、政府はそのまま市民グループやNPOなどに事業を丸投げするのではなく、政府もパートナーとして対等な立場のもと援助していかなくてはならないと思います。政府側に「育成する」という視点が重要です。
その一つとして今回出てきたマイクロクレジットの例としてアメリカでの取り組みがあります。アトランタのNPOカーター・センターのプログラム「ジ・アトランタ・プロジェクト」です。カーターセンターの理事は元大統領のジミー・カーターで、このジ・アトランタ・プロジェクトは、企業と地域・NPOのパートナーシップによる地域改革のモデルとされています。1991年カーター氏がサントラスト銀行に財政的支援とともに、従業員の提供、低所得者への融資(マイクロクレジット)を依頼しました。これまで小額信用貸付は銀行間では行わないと決めており、また商売にはならないとサントラスト銀行は考えていましたが、ジ・アトランタ・プロジェクトのもと、銀行口座を初めて持つ人への教育、賛同したほかの金融機関とともにスモールビジネス・ローンファンドの創設と互いにリスク分散を図りながら融資を始めました。すると、リスクがあるどころかむしろ大きな利益が生むことが分かり、結果的に企業にとっても良い結果をもたらし、地方経済の活性化にもつながりました。
このように、政府、企業、NPOの三者がwin-win-winの関係を構築できるようなプログラムが今、最も必要とされていると痛感しました。
(参考文献:岸田眞代・高浦康有著『NPOと企業 協働へのチャレンジ ケーススタディ11選』同文舘出版 2003年)

投稿者 Kubo : 09:42 PM | コメント (0)

June 28, 2005

The Third Way (6月22日)

6月22日に行われた読書研究会の要約&私見です。

p61ℓ21~p64ℓ13
□new risk
 狂牛病問題からも分かるように、新しいリスクの公表の仕方は難しい。もしリスクを公表し、そのリスクが誇張されたもの、あるいは存在しなかった場合には、批評家にはデマであると言われるだろう。また当局がリスクは低いか公表に慎重になっている時には、批評家は「なぜもっと早く公表しないのか。当局はリスクを隠している。」と言われることになる。
 また、リスクとは必ずしもネガティブなものではなく、伝統や自然と決別した社会を活性化する原則ともなるというポジティブな面もある。P63 のリスクマトリックスにおけるOpportunityとInnovationは、リスクのポジティブな面である。リスクに対して能動的な関わりを持つことは、社会を動かしていく上で必要な要素である。

P64ℓ14~p68最後まで
□Third way politics
 第三の道とは、グローバリゼーション、個人のライフスタイルの変化、自然との関係など大きな変革が起こっている中で市民をそれぞれの道へ導き出すことである。
 また第三の道の政策としては、グローバリゼーションを(単なる市場のグローバル化ではなくもっと広い意味で)肯定するべきである。しかし、市場の力は社会的・文化的に破壊的な影響を及ぼすから、第三の道の政策としては自由貿易をそのまま認めてはならない。
 新しい政治(第三の道の政治)における最重要のモットーは「権利は必ず責任を伴う」ということである。この原則は政治的権利の場合のように、貧困層だけに適用されないためにも、福祉の受益者だけでなく、全ての人々にとっての倫理的原則とならなければならない。
 二つ目に重要なモットーは、「民主主義なくして権威なし」である。伝統や習慣が影響力を失った現在、民主主義によってしか権威を構築できない。新しい個人主義は、人々の活動や参加がベースとなって権威が再構築されることを欲している。
 ここで問われているのは、社会的な正義ではなく、伝統や習慣が廃れていっていった後どのように生きていくべきなのか、社会的連帯をどのように再構築するのか、環境問題にどのように取り組むのかということである。この問題に対しては、哲学的保守主義の思想の必要性が強調される。
 新しい政治に対して近代化は基本的な問題の一つである。生態系に配慮した近代化はその中の一つの型であり、他にもタイプはある。生態系に配慮した近代化は、近代化するプロセスにおける問題および限界を意識するものある。
哲学的保守主義は、重要な思想である。伝統を超え、自然と反対側の世界で生活していくためには、保守主義と近代化は相反するものだが、私たちは近代化のツールを使わなければならない。
 ここでの保守主義は、変化に対して実践主義的な態度をとるという意味での保守主義である。そしてこれまで述べてきたように、科学技術はもはや民主主義の外へ残すようなものではなくなり、私たちの生活に直接的かつ広範囲に影響を及ぼすようになった。

◇私見
リスクにおけるポジティブな面というのは、私の研究テーマであるCSRにもいえることだと思いました。その好例が、1982年に起こったジョンソン&ジョンソンの取り組みです。同社の頭痛薬に何者かが毒物を混入し、7人の死者が出ましたが、素早い薬品回収、積極的な危険告知は、多くの人々から支持を得ました。また、その後もより安全性の高いパッケージの導入も行い、後に米国PRソサエティから表彰を受け、消費者の信頼を維持できました。
科学技術が私達の生活になくてはならない存在となった現在、新しいリスクが今後も起こりうると考えられます。そのような中で、いかに素早い対応をとり、リスクにおけるポジティブな面を生かせるかどうかが、第三の道の政策だけでなく、企業や市民活動などあらゆる面で一つのキーポイントになるのではないかと思います。

(参考文献:「企業評価の新しいモノサシ 社会責任からみた格付基準」斎藤槙、2000年、生産性出版)

投稿者 Kubo : 07:04 PM | コメント (0)

May 16, 2005

"THE THIRD WAY #7"

p,44〜p,51
 『左派と右派の区別』つづき

現在は、左派と右派の主張が完全に異なる問題ばかりではない。社会民主主義者は単なる妥協ではない政治的中道、(穏健左派とは異なる)「活動的な中道」あるいは「急進的な中道」という概念を入念に検討すべきであるといえる。

なぜ、中道左派か。
(1)現在の諸問題は急進的な政策を必要としている。
  ・たとえば環境問題では、環境の不可逆性により、一刻の猶予もないため、急進的なものが望まれる。
(2)経済学者J・K・ガルブレイズはいう、
   “現代において裕福な人々は恵まれない人々の運命への関心を失っている。” 
 しかし、ヨーロッパ諸国における研究では、その逆が真実である。貧しい者から富める者への呼びかけによる同盟(ボトムアップアライアンス)は可能であり、「急進的」な政策(たとえば、環境問題に対する政策)のためには必要である。
(3)社会民主主義者は、「人々の積極的な人生選択を具現化できる社会」をつくるために、中道左派として脱皮しなければならない。
 *この『人々の積極的な人生選択を具現化できる社会をつくる!』が、『The Third Way』の基調である。
(4)かつてのように「左派」と「急進的」はイコールの関係で結ばれてはいない。「左派」と「急進的」であることの結びつきが弱まったことは、以前はあまりに高かった、政治思想の壁を越えた意見交換を可能にするという大きな収穫をもたらした。
  ・たとえば、新しい福祉国家を考える場合、社会民主主義者と新自由主義者とでは大きな見解の相違がある。しかし、その福祉国家のがどうあるべきか、という意見の相違はありながらも、全ての福祉改良者達が直面している問題が存在し、それに対しても、より「急進的」な再考が求められている。

 『ポリティカル・エイジェンシー』
 エイジェンシーとは?
principal—agency(本人—代理人)関係のなかの「代理人」
具体的には「有権者—政治家」(他の例として「株主—取締役」など)
代理されたことにより、義務を負う者。
  *日本語にするにはなかなか難しく、読書会では「エイジェンシー」で通しました。
 
 政治家、政府の役割の再検討
(1)社会民主主義政党は市民運動から生まれ、また新しい市民運動に先を越されつつある。またこの流れの中で、政治の地位低下も言われている。
(2)新自由主義者は政府の役割について批判し続けてきたが、社会民主主義者はその見方に反論すべきである。最近、政治の終焉、国家の衰退もいわれているが、だからこそ、今、政府の役割を再検討することは価値があることであるといえる。

 政府は何のために存在するのか
・多様な利益を代表するパイプ役
・その利益要求を調整する場の提供
・政策についてなんの束縛もなく、自由に討議できる場の提供
・集団安全保障や、福祉などの公共財の提供
・独占を防ぎ、公共の利益のために市場を規制し、市場競争を促進
・暴力を抑止し、治安を維持し、社会の平安を保つ
・教育の中核となり、人的資本を開発
・実効的な法の維持、整備
・ミクロ、マクロ、両面に対する直接的な経済運営
・議論はあるが・・・教育システムの中で「良き市民」となるための価値規範を 教え、広める(民度を上げる)
・国内外との連携でグローバルな目標を目指す

(1)政府と民間の活動領域が重なる部分もあり得るが、だからといって国家や政府が不要になったということは言えない。市場は政府の役割を担うことはできない。
(2)NGOなどの市民運動も社会的な存在感は増しているものの、政府を代行する事はできない。しかし、グローバリゼーションの中で、社会民主主義者が変化に対応できずにいたとき、NGOは変化に敏感に、その問題点を前面に押し出した。
(3)脱政治化が進展しているという見方もあれば、政治参加が広がったと考える見方もある。
(4)ウルリヒ・ベックは、政治が議会から、単一争点を中心に形成される市民グループへ移る「下位政治」の出現について言及し、その市民グループである、グリーンピースやオックスファムは世界規模で活動している。
(例)シェル石油のブレントスパー油田掘削装置海洋投棄問題
環境保護団体は不買運動に乗りだし、シェルの態度は大きく変化した。
シェルの変化は、NGOなどの新しい市民グループがグローバルに活動するようになり、多国籍企業は彼らの活動を無視できなくなったことを示している。 
(5)提案する市民グループは、政治家に先駆けて環境問題などの新しい問題に取り組むきっかけをつくってきた。
文芸評論家ハンス・マグナス・エンツェンスベルガーはいう、
“ドイツにおいて、また他の国々においても、政治家への関心が薄れているにもかかわらず、政治はうまくいっている。つまるところ、(政治家は)何の役にも立っていないのである。”

〈私が理解できたこと〉
 『左派と右派』のまとめとしては、「中道左派」を見直す必要があるのはなぜなのか、また、「急進的(ラディカル)」が必要とされる現在の社会背景が論じられていました。読書会に参加させていただいて、現在の環境問題と急進的(ラディカル)な活動が「不可逆性」をキーワードに結びつくことが理解できました。
 『ポリティカル・エイジェンシー』では、最近よく耳にする「政治」や「政府」の地位の低下を認めつつ、政府の役割とは何なのか、民間やNGOで政府の役割が本当に果たせるのか、といったところを再度確認しています。
 ギデンズは“オーバーラップする箇所はあっても、やはり「政府の役割」というのが存在する。”としながらも、市民活動団体などが政府に先駆けて問題提起をしたことを評価し、グローバリゼイションの広がりとのかかわりの中で、政府ばかりでなく、多国籍企業などにとっても“無視できない存在になった。”としています。
本来的行政責任(手島孝「現代行政国家論」)の範囲(治山治水など、行政の仕事だと異論の出ないもので、行政のコアの部分であり、いわば、未来永劫、行政責任範囲からはずれることができないもの)はどこまでか、そしてその部分以外のどこまでをどの程度行政の役割とすべきなのか。「民営化」とはなんなのか。日本でもますます注目される論点であろうと感じました。

投稿者 : 07:00 PM | コメント (1)

May 06, 2005

"THE THIRD WAY #6"

連休明けですが、またすぐに週末ですね。
遅くなりましたが4月20日の読書会の概要です。(#5の報告が未だですが)

『左派と右派の区別』(続き)

ボッビオ(イタリアの政治評論家)
・左派と右派の区別は、以前のような意味はなくなっている。
・平等をどう考えるか。左派は「平等であるべき」、右派は「平等なんてあり得ない」
・左派と右派の主張の違いは状況次第。
左派が方向感覚を失ってしまったのは
・左派がいまだかつて遭遇することのなかった諸問題に直面している。
・「社会変革計画」の前提が現実離れしてきた。

・左派=社会的な公正の実現、「解放の政治学」への信仰がアイデンティティー
・極度に不平等な社会=犯罪の増加などの社会不安
・先進国に極左はいなくなったが、極右は台頭しつつある。
・左右両派の仕切が、政治的に意味をもつかどうかが、社会民主主義の今後をみるうえで重要。

左右対立の図式は崩れている。
・旧来の左派の「進歩史観」=社会主義と科学技術は進歩し続ける。これはもはや無い。
・経済体制としての社会主義はもはや無い。資本主義に替わるものがないいま、どの程度まで、いかにして資本主義を統制すべきかというのが、唯一残された問い。

今日、左右対立の図式からはみだす問題が出てきた。
・環境、家族、労働、個人や文化のアイデンティティにかかわることなど。
・いずれも社会的公正や解放にかかわるが、個々の問題を見ると、そういった価値と食い違いをみせる。
・ギテンズいわく「Life Politics(生活の政治学)」が必要。
・それは選択、アイデンティティー、相互依存関係に配慮する政治学である。

【私見】
日本においても、右派と左派の対立点を見いだすのが難しくなっています。こうした対立の構図が明確にできた時代は旧社会党や共産党が影響力を持ち得ました。
しかしいまや与野党の論の違いも自民(+公明)vs民主という構図になってから、どこがどう違うねん。という感じです。(郵政民営化についての自民党内の対立のほうが分かりやすいですよね。)
こういう時代だから、ギデンズのいう「Life Politics(生活の政治学)」の大切さがわかります。個々の問題・課題に関して、政治家が「私はいつまでにこうします」という契約(マニュフェスト)を市民と交わしていく必要性があるのです。

投稿者 Nishimura : 11:29 AM | コメント (0)

April 20, 2005

"The Third Way"北村担当箇所…です

thethirdway.jpg

本日は"The Third Way"読書会お疲れ様でした。どうやらボクはすばらしいスマッシュ・ボケをかましたようで…。笑いのネタを提供できてよかったですが、とりあえずシメシ。担当箇所の訳文です。

P42L8 "Globalization" - L21 "relevance?" (ですね!)

▼ 訳

グローバリゼーションは共産主義の分裂とともに右派、左派についての輪郭を変革してきた。先進国においては話題にのぼる極左はいなくなっている。ところが極右については話題になっていて、グローバリゼーションに対応するなかでますます自身の輪郭を強めている —例えばアメリカのパット・ブキャナン や フランスのジャン=マリー・ルペン、オーストラリアのパウリン・ハンセンのような右翼政治家たちが一般によく知られている。同じことは右派寄りの過激勢力(※1)にもいえ、アメリカの愛国主義者たちは、国連と連邦政府を国家的統合に反する共謀者であると見なしている。極右の主張は経済と文化における保護政策である。例えば、ブキャナンは「アメリカ第一!」と主張する。(誤った)グローバル化(※2)への正しい代案として彼は国の孤立主義や移民政策に関する頑強な姿勢を護持したのである。
左右の区別は生き続けているが、社会民主主義に対する本質的な問いはその区別が旧来の政治的分野をカバーするのに十分かどうかなのである。ボッビオが示すように、私たちは右派左派が全力で変容を遂げようとするその前の段階にいるのであろうか、あるいはその妥当性の段階(※3)においてすでに質的な変化は起こっているのであろうか。


▼ 注
1.wildに「過激分子」の意味あり。野性味あふれる、ではない
2.‘globalony’の意味が不明。訳書では「誤ったグローバル化」ただし‘alternative’に「代案」という意味があり訳は通じる
3.‘their relevance’を「その妥当性」と訳した。‘their’は直前‘left and right’を指すので「右派と左派の“区別”の妥当性」ということか


先生はじめ皆さんにはご迷惑をおかけしました。
自分で割振って自分で間違うとは…我ながら赤面ものです。
誤読などご指摘お願いいたします。

3B04011 北村英之

投稿者 : 11:02 PM | コメント (1)

March 27, 2005

"THE THIRD WAY #4"

遅くなりましたが3月22日の読書会の概要をアップさせていただきます。

2 Five Dilenmas(p.27〜)
この10〜15年間におこなわれた社会民主主義の将来に関する議論で重要なものは以下の5つである。
①グローバリゼーション
②個人主義
③右派と左派
④政治機関
⑤環境問題

Globalization(p.28〜33)
グローバリゼーションは経済現象として理解されることが多い。しかしグローバリゼーションを経済的な観点からだけで見るとその本質を見落とすことになるだろう。 グローバリゼーションは国民国家の形態に変容をもたらすものでもある。ケインズ主義国家が持っていた国家の権力を「引き離す」とともに、地域に新たな要求と可能性を「押し付ける」。もはや主権というものはかつてのように「All or Nothing」なものではなくなった。国家は今後も強大な力を持ち続けるであろうが、それは地域、地方、民間の国際組織との積極的な協力によってのみ可能である。こうした意味で、もはや「ガバメント」という言葉より「ガバナンス」という言葉のほうが適切な表現となるだろう。
Individualism(p.34〜)
社会民主主義においては連帯が強調されてきた。しかし近年、社会は物質的に豊かになると共にますます多様化してきた
(つづく)

私見
たしかに最近はグローバリゼーションという言葉を聞かない日は無いぐらいにこの言葉は浸透しています。就職活動で会社の説明会を聞きに言っても殆どの企業で「わが社はグローバル化に対応」「グローバルな経営をしています」と聞かされます。まさに猫も杓子もグローバリゼーションといった昨今でしょうか。
しかし、ギデンズも指摘しているようにグローバリゼーションは経済・政治・社会などの要素が複雑にミックスされた現象です。この点島国の日本は、日常生活で外国の人や文化を意識する機会が少なくて、経済的な観点が強調されすぎているのではないでしょうか。これからは経済以外の面でのグローバリゼーションということも充分注目していくことが必要ではないかと考えます。
 

投稿者 : 03:27 PM | コメント (1)

March 19, 2005

The Third Way #3

現在、今里ゼミでは、Anthony Gidens の 『The Third Way』の読書会を行なっていますが、数年前、Gidens についてまとめたものを紹介させていただきます。

Anthony Gidens(1938〜   )
A.Gidensは、今日の社会を資本主義がより深まったハイモダンの時代と捉えて、ミクロとマクロの統合を図っている、現代イギリスを代表する社会学者でケンブリッジ大学教授。
ギデンズは、古典的な社会理論と現代思想の批判的検討を通して、個人と社会の関係は相互に基礎づけ合うとする「構造化理論」の体系化をはかると同時に、史的唯物論の再吟味を行い、独自の理論構築を試みている。「モダニティ」、「脱埋め込みメカニズム」「純粋な関係」などの概念を打ち立てた。
著書に、『先進諸国の階級構造』(1973)、『社会の構成』(1984)、『社会理論と現代社会学』(1987)などがある。

「純粋な関係」pure relational
 ギデンズによって用いられた概念用語で、経済条件や親族間の関係といった外的基準によらず、関係維持そのものから充足を得る再帰省の高い関係をいい、次の特徴を持つ。

1.経済的な条件や親族間の関係などといった外的基準に依存しないこと。
2.関係そのものから充足をもつことが重要であること。
3.関係は固定したものではなく開かれており、そのあり方は常に問い直されていること。
4.その関係にどれだけコミットメントを持つかが、その維持にとって重要であること。
5.プライバシーの保持にもとづく親密性をもつこと。
6.相互信頼(トラスト)を前提にすること。
7.相互の自己アイデンティティの交渉にもとづく歴史をもつこと。

 私自身は、ギデンズの pure relational を指標にして友人との関係を培ってきたつもりですが、今後もこれを大事にしていきたいと思っています。

投稿者 Honda : 01:05 AM | コメント (0)

February 03, 2005

The Third Way ♯2

レポートも大方が終わり、少しホッとしています♪
遅くなってしまいましたが、1月26日の読書研究会の要旨、私見の方をまとめてみましたので
アップさせてもらいます。

Socialism and After (p1〜p3)
社会主義の価値観、理念のうちのいくつかは、良い生活を送る際の
欠かせない要素となっているために、社会主義、共産主義も今となっては
過去の遺物であるが、その全てを否定することはできない。
私達には、これらの価値観の大切さを再認識することが求められている。

現在起こっている社会問題を解決するためには、偏った考えを持たずに
理念に基づいて行動しなければならない。しかし、その理念が到底実現できそうに
ないものならば意味がないので、理想的社会実現へのプロセスについてもきちんと
考えなければならない。そのことに向けて政策を提案することがこの本の目的である。

Old-style social democracy (p8〜p11)
旧社会民主主義者は、人々の日常生活に対して政府が介入するのは、当然であり
それが政府の役目であると考えていた。
そのため旧社会民主主義者は、ボランティア組織が行なうサービスは欠点が多いと
捉え、疑いを持っていた。
1970年代後半の挫折までは、社会民主主義者は一直線に近代化に向けて発展していくモデルを追求し、そのモデルの頂点に福祉国家をおいた。

また旧社会民主主義者にとって、環境問題に取り組むことは難しかった。
その上、社会民主主義者は国際主義的であったが、グローバルな視点は
持ち合わせていなかった。

◇私見
最初読んだ時に、「社会主義、共産主義という名の妖怪がヨーロッパを徘徊している」という一節が一体どういう意味なのかということが分かりませんでしたが、先生の「実体はないが、力は持っている」というお話を聞いて、マルクスが意図した理由とは異なってはいますが、上手く捉えた分かりやすい表現だなと思いました。
社会主義、共産主義の考えが衰退した現在でも、その価値観が良き生活の要素として残っていることは確かに妖怪な感じがします。
社会主義、共産主義の中で育ってきていないので、その価値観がどのように社会、経済発展に関わっているのかがまだよく掴めていませんが、これから「第三の道」を読み進めて勉強していきたいと思います。

また恥ずかしながら、学部時代にこのような分野については1年の時に概論レベルでサラッとしか勉強したことがなく、勉強不足のため「第三の道」を読んでいてもよく分からない単語や背景が掴みにくいところがあるので、先生にご紹介して頂いた本をこれから読んで色々と吸収していきたいと思います。
また他にも何かお勧めの本をご存知でしたらぜひ教えて頂けると嬉しいです。
よろしくお願いします。

投稿者 Kubo : 12:20 AM | コメント (1)

January 25, 2005

"The Third Way"♯1

昨日は予習不足の拙読にお付き合いいただき申し訳ありませんでした(_ _)゛
ノート風にごくごく一部のピックアップと、参照引用ばっかりのコメントを掲載しております。
ご高覧ください。

原書P3-8
第一章「社会主義の終焉(死)」


・P3.L9- Socialisimの起源
フランス革命=自由・個人主義革命に対する反動として。
(自由主義が資本主義と重なるように)社会主義が反資本主義の思想となっていくのはまだ先。
・P3.L10- Before it took〜,communisim overlapped〜なので、
前半より後半が古いことになります従って、
「共産主義≒社会主義では社会や共同体が個人に対し優位にある」のは
「ソ連邦の登場により独特の意味を持つ」以前のこと、ですね。
(大過去になっていてもいいような…)

・P3.L22-
マルクスの(精緻な経済)理論を基礎にすえた社会主義は資本主義の限界
(経済的な非効率性,階層化の推進,長期的には再起不能に陥る)に挑もうとする
⇒資本主義を人間的にする
・けれど東側の計画経済体制の実践は破綻した(P4.L28)
さらに西側の社会民主主義も70年代には理論の不備を露にした(P5.L4-)
⇒情報装置としての市場の重要性の認識不足、資本主義の過小評価などが原因

・P5.L8- 70年代中盤以降、サッチャーとレーガンの台頭
⇒新自由主義(free market philosophies=自由市場主義/訳書では「自由市場万能思想」)
の挑戦
・(さらにこれら右派政権に対し)80年代以降
social democratsも古典的な社会民主主義の古い立脚点を脱しようとし始めている。
けれど「残りかす」はまだどこの国にも残っている(P6.L9-/P8.L5)

だから、 the old left ⇔ the new right いずれとも異なる「第三の道」へ(ということか)


▼私見
そもそもの社会主義/マルクス主義という語に正直リアリティがないので…
秘密兵器、講談社『哲学の木』を参照すると、
「資本」とは…
「自己増殖を目的として使用される。過去の蓄積がそれ自体のさらなる蓄積のために
用いられるとき、それは資本となる」(ウォーラーステイン)もので、
ここに「生産過程に組みこまれた労働力という特殊な商品が剰余価値を生み出す」という
「価値増殖の運動にかかわる社会関係」を織り込んだのがマルクスの資本概念ということだそうです。
(内田隆三「資本」,西部忠「マルクス主義」)

資本が本質的に自己増殖を使命とするものなら、なるほど市場は無限に拡大し続けるし、
資源は無尽蔵に必要ということになるわけですね。だから資本をコントロールしようとする
国家はネオリベラルであれ社会民主主義であれ第一段階では単線的な近代化を意識し、
環境保全に無関心になるのでしょう。

一方で、資本主義は資本の蓄積による不平等を生み出してしまう。世界中に自由=資本主義をばら撒けば
世界中が一体化して階級対立や富の不均衡に組み込まれてしまう(「世界資本主義」)。
そこに「社会主義の登場せざるをえない根拠」(ギデンズのいう「資本主義の限界への挑戦」があるそうです。
(米谷匡史「社会主義」)

ということはやはり原書でも議論の対象となるのはマルクス以後の、対資本主義としての社会主義だと思われます。
現実に計画経済体制が崩壊して20年。ボク自身物心ついたころにはペレストロイカが進行していましたから、
すでに世界資本主義は相当ひろまりライバルの社会主義は完全消滅したといえるでしょう。
ところが自由=資本主義といってもその中身も「新」がつくように変質してしまった。
社会民主主義は相手が変わったからこっちも変化するという関係で台頭するようになったようです。
原著P7の比較が「旧」左派と「新」右派を比べていることも、このあと「新」左派がでてくるんですよと暗示しているのでしょう。
それにしても本是同根とはよくいったもので、資本のコントロールを目指すという共通性のためか
国際主義や環境保全には楽観的な様子が(記述や比較の表からは)読み取れる気がします。


きたむら

参考 『事典 哲学の木』講談社,2002

投稿者 : 04:10 AM | コメント (1)

January 19, 2005

読書会『The Third Way』(続)

本日1回目でした。
今後の予定を確認して、序章を輪読して終わりました。

1月24日(月)17時〜19時
1月26日(水)13時〜15時
2月14日(月)17時〜19時  **この後「今里ゼミM1打ち上げ飲み会」やります。
2月21日(月)13時〜15時
3月11日(月)13時〜15時

進め方ですが、一人1節づつ順番に担当します。(割り当て順はMLで確認ください。)
・音読+逐語訳
・その後、担当部分の要約をブログにアップ
 ということで、ペーパーを配布する必要はありません。

今里先生から、背景を理解をするための参考文献として以下の2冊が紹介されています。
「ブレアのイギリス—福祉のニューディールと新産業主義」PHP新書, 舟場 正富著
「イギリスの政治 日本の政治」ちくま新書, 山口 二郎著

投稿者 Nishimura : 08:22 PM | コメント (1)

読書会『The Third Way』

1月19日(水)、ギデンズ 『The Third Way』 の初回読み合わせを行います。

水曜日の2時限の「調査研究プロジェクト」の後、お昼を挟んで、
14:00から博遠館320号室にて実施されます。
今後の割り振り等もありますので、原書がまだ手元にない方も振るってご参加下さい。
お忙しい中、今里先生もご参加いただけるとのことです! 大感謝!

投稿者 : 01:26 AM | コメント (0)

December 30, 2004

Anthony Giddens"The Third Way - The Renewal of Social Democracy"

thethirdway.jpg

新年が明けた1月からゼミ有志でこの本を一緒に読む読書会をします。
「社会学の世界的権威でもあり英国ブレア政権のブレーンであるアンソニー・ギデンズが、古典的社会民主主義と新自由主義を対比させながら、社会民主主義の刷新について論じているのが本書である。」(Amazon.co.jpから)

投稿者 Nishimura : 10:30 PM | コメント (0) | トラックバック